◆「契約書」に関する弁護士の関与は、おおむね、以下の4パターンがあります。
◆「契約書」といっても、先端的な法技術を入れ込む長大複雑なものから、定型的で極めて簡易なものまで様々ですので、弁護士費用も、一概に定額化することはできません。以下の基準を目安に、実態に応じ、増減額します。
◆弁護士が依頼人を代理して相手方と契約締結の交渉をする場合を指します。
◆相手方と合意ができれば、弁護士が、契約書の原案を作成し、「代理人弁護士名」で契約書に記名押印します。
◆相手方との間に紛争性がある場合は、「契約締結交渉」ではなく、「示談交渉」になります。「契約締結交渉」は、決裂しても、後に紛争が残らない場合です(単に売買契約などができなかったという結果が残るにとどまる)。
◆弁護士が依頼人を代理しますので、着手時に「着手金」が発生し、契約締結が成功すれば、その時点で「成功報酬」が発生します。
◆契約締結の対象物の価格(不動産であれば時価、など)に、以下の計算式を当てはめて算出します。
対象物の価格 | 着手金 | 成功報酬 |
300万円まで | 2% | 4% |
300万円〜3000万円 | 1%+ 3万円 | 2%+ 6万円 |
3000万円以上 | 0.5%+18万円 | 1%+36万円 |
◆対象物の価格が不明の場合は、「800万円」と見なします。
◆着手金の最低額は、10万円です。
◆弁護士が依頼人から契約書の内容やイメージを聞き取り、これを契約書の案文に仕上げる場合を指します。
◆この場合、相手方と契約内容を折衝するのは、あくまで、依頼人です。弁護士は、相手方との折衝の場には出ません。弁護士は、ペーパーとしての契約書の原案を作成し、依頼人に「納品」するイメージです。
◆契約書の名義も依頼人本人です。弁護士名は契約書には出ません。
◆次のように、「定型/非定型契約」および「対象物の価格」によって額が異なります。
◆「対象物の価格」がない場合は、800万円と見なします。
【定型契約】
対象物の価格 | 費用 |
1000万円まで | 10万円 |
1000万円以上1億円未満 | 20万円 |
1億円以上 | 30万円 |
【非定型契約】
対象物の価格のうち | 費用 |
300万円以下の部分 | 10万円 |
300万円超3000万円以下の部分 | 1% |
3000万円超の部分 | 0.3% |
◆依頼人から持ち込まれた契約書の原案を弁護士が審査する場合です。
◆原案は、依頼人側が作成する場合と契約の相手方から依頼人に提示される場合があります。
◆弁護士は、ワーディング(用語法)の適否、条項の法的有効性(将来効力を否定されるような違法不当な条項がないか)、法的形式が調っているか、などを審査し、助言します。
◆また、法的には有効でも、価値判断として、依頼人に不利なリスク条項(損害賠償が重すぎないか、など)があれば、その存在、意味、程度を指摘します。
◆内容を変更すべき条項があれば、対案を条項の形で示します。ただし、あまりに原案が不充分で、弁護士の作業が実質的に「契約書の作成」に匹敵するような場合は「2」と見なす場合があります。その際には、その旨を事前にご説明してから、作業に取りかかります。
◆3万円を標準に、10万円以内の範囲で決めます。
◆契約書の定型性、契約書自体の分量、対象物の価格、変更すべき箇所の多少によって異なります。
◆上記「1」では、契約書の調印そのものを弁護士が行いますので、立ち会いという概念は出てきません。
◆上記「2」「3」では、契約書の調印そのものは、依頼人が行いますが、弁護士が、その場に臨席して立ち会うことができます。弁護士が立ち会うことの意味は、後日、契約書の真正な成立に争いが生じた場合、弁護士が「あのとき、たしかに、どこどこで、だれだれが、この契約書に署名した」と述べて、契約書の有効な成立を証し立てることができる点にあります。
◆弁護士は、契約調印の場所に臨席するだけでなく、依頼人の希望があれば、「立会人」として契約書に署名することもできます。「立会人」として署名しても、これは、文字通り「立会人」であって、依頼人を代理するものではありません。契約書の当事者名義は、あくまで、依頼人本人です。
◆立ち会う場合には、事前に、調印予定の契約書原案を見せていただく必要があります。仮に、これが、違法不当な目的や内容を持つものである場合には、立ち会いはできません。
◆1回の立ち会いについて3万円です。
◆契約書の調印と決済が別の日時になる場合がありますが、そのときは、それぞれについて、各3万円となります。
◆日当および交通費は別になります。