◆弁護士が個別の案件を受任した場合、弁護士は、対外的に、依頼人の代理人に就任し、依頼人を「代理」して活動します。
◆この場合、おおむね、次の3つのパターンが想定されます。
【訴訟事件】依頼人が訴訟を起こす場合、または、起こされた場合。
【調停事件】依頼人が調停を起こす場合、または、起こされた場合。
【示談交渉】裁判手続になっていない紛争案件(訴訟外の和解交渉)。
◆どの場合についても、弁護士と依頼人の間で「委任契約書」をご締結いただき、委任状を交付していただく必要がございます。
◆受任に先だって、必ず、「お見積書」をお出しします。発生が予想される弁護士費用、実費などについて、事前に、ご確認いただくことができます。
◆案件を受任する場合、受任時に「着手金」が発生し、案件が終了した時に、案件処理の成功度合いに応じて、「成功報酬」が発生します。
◆「着手金」は、上記の3パターンに応じて、額が異なります。
◆「成功報酬」は、上記の3パターンのどれであっても、額は変動しません。
◆日本の訴訟は、3審制です。判決が出ても上訴があれば、上級審で審理が継続します。この制度と弁護士費用の関係は、次のとおりです。
◎「着手金」は、各審級ごとに発生します。同一弁護士が、引き続き、上級審の代理を行う場合、上級審の「着手金」は、以下の計算方法による「着手金」額から、相応額を減額します。
◎「成功報酬」は、代理をした最後の審級の結果をもって、成功の度合いを計算します。
(例)1審を代理して勝訴し、引き続き、同じ弁護士が控訴審を代理したが控訴審では敗訴した場合→最後に代理した控訴審は敗訴なので、成功報酬は発生しません。
(例)1審を代理して勝訴した。しかし、控訴審は別の弁護士が代理して敗訴した。→最後に代理した1審は勝訴なので、成功報酬が発生します。
◆案件の経済的規模に応じて、以下の割合を乗じた額が基準額になります。
経済的規模 | 割 合 |
300万円まで | 8パーセント |
300万円〜3000万円 | 5パーセント+ 9万円 |
3000万円〜 | 3パーセント+69万円 |
【訴訟事件】上記の基準額のとおりです。
【調停事件】上記の基準額の「3分の2」になります。
【示談交渉】上記の基準額の「3分の2」になります。
◆調停事件もしくは示談交渉が決裂した後、訴訟を提起する(提起された)場合において、同一弁護士が引き続き、訴訟の代理をする場合、訴訟事件の着手金は、基準額の「2分の1」になります。
◆着手金の最低額は10万円です。上記の計算によって、10万円以下になった場合には、10万円になります。
◆案件処理の結果、依頼人に経済的利益が確保された場合に発生します。
◆「経済的利益」とは、「成功の度合い」のことです(例参照)。
◎(原告)債権の回収事件…回収できた金額。
◎(被告)金銭の請求を受けた事件…当初の請求額から減額できた部分の額。
◆成功報酬は、「経済的利益」に次の割合を乗じた額になります。
経済的利益 | 割 合 |
300万円まで | 16パーセント |
300万円〜3000万円 | 10パーセント+ 18万円 |
3000万円〜 | 6パーセント+138万円 |